メーカー経理マン雑記

学生時代には経理になるなんて全く考えてなかった人のブログ。経理の実態、就活などについて思うこと書きます。

【大手メーカーのリアル】~メーカーの抱える問題点について僕が思うこと~

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 「モノづくり大国にっぽん」

 

僕たちはそういう教育を、ずっと受けてきました。

 

そんな僕は、4年前、ある大企業メーカーに就職しました。

 

最初に工場に配属となり、今では本社にいますが、そのリアルについて、入社前と違ってわかってきたことが多々あります。

 

就職に悩む人達の役に少しでもたてば良いなと思い、以下に書き連ねます。

 

  

 

配属リスクと一生付き合い続ける問題

 

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まず、配属リスクです。

 

メーカーの場合、全国各地に工場がある場合がほとんどです。そのほとんどが、都会から離れた田舎にあると思います。

 

仮に海外勤務になったとしても、田舎の可能性はあります。

 

実際海外駐在中の方が日本に一時帰国した際に、話をする機会があったのですが、その方は、家から都市部までの距離が約100キロあり、週末は、ほぼ毎週車に乗って(なんだかんだ片道2~3時間ほどかかるそうです。)都市部に出て行かなければならないと言っていました。そうしないと買い物ができないからです。

 

僕自身が経験しましたが、望まない転勤によるモチベーションの引き下げられ方は半端ないです。

 

これは相当のインパクトがあるので覚悟してください。

 

端的に言って、やる気なくします。

 

周りを見渡すと、僕だけでなく、不本意な異動(引っ越しを伴う)を命じられた人は多いです。

 

残念ながら、多くのメーカーでは、就職活動時に明確なキャリアプランを求めるわりに、未だに家を買った瞬間に転勤、希望と違う部署への配属、といったことをやっています。

 

ちなみに同年代の配属ガチャで負けた人々は、めっっっちゃやめてます。

(希望とは異なる僻地に飛ばされ、戻ってこれる見込みが薄い人々(僕もそうですが)のことです。)

 

これは僕の企業だけではなく、メーカー全体として、ということです。

 

同期から2~3年上の先輩くらいまでの動向は、たまに大学の友達と集まって飲んだりした時に情報は入ってきます

 

あるメーカーでは、田舎の工場に配属となって、その後やめる若手が多数出現し、大問題となっていると聞きました。(その人はもうその会社を辞めています。)

 

配属された先で、自分が今後どういう経路をたどることになるかということは、だいたいわかりますからね。

 

そしてこの問題は、若手の間だけではなく、メーカーにいる限りは一生付きまといます。

 

そして、このことは、離婚している人の多さにも起因します。

メーカーに入って、離婚を経験した人の多さに驚きました。

 

とくに望まぬ転勤をさせられた人ですね。

 

いや、実際にはなぜ離婚したのかはわからないですよ?個別の事情は当然あると思います。

 

でも、海外の僻地や、田舎の工場に配属となる人ほど、離婚率は高くなる気がします。これは僕の体感ですが。

 

また、「ある程度異動希望は聞いてもらえる」という就活時の触れ込みは、多くの場合、嘘です。

 

よほど職種を限れば別なのかもしれませんが、全国各地に工場が存在するメーカーでそれはほぼありえません。

 

あったとしても、若いうちだけです。

歳をとればとるほど、話は聞いて貰えなくなりますよ。(と、ある40代の先輩が仰っていました。)

 

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エース部署ほど若手が辞める問題

これはおそらくメーカーに限らず、大企業ならどこもあるのではないかと推察します。

 

誰もが知ってるA商品!!

これからを担うB商品!!!

 

などを扱う部署では、多くの場合、一件一件の金額や重要度が大きすぎる為、若手には雑用しか回ってきません。

 

特に工場から本社に来た僕は痛感するのですが、本社は圧倒的に調整」作業が多いです。

 

複数の偉い人の予定をみて、秘書さんに電話して、会議を押さえて

 

とか、ザラです。

 

もちろん大事なことですが、こんなことばかりやっていても全く力になりませんよね。

 

エース部署には、見込みのある人が配属される一方で、このような現象が起きるために、ミスマッチとなり、やめる若手が続出します。

 

また仕事自体が「役職ありき」になってしまっているのも問題ではあると思います。

 

pingchang.hatenablog.com 

年功序列であるがために、優秀な人々の牙が削がれていってしまっている感じは僕の企業でもします。

 

理論よりも、役職(誰の意見なのか)が大事なのです。

 

僕の企業に勤めているひとの中には、

 

「この20年間、優秀な人から辞めて行った」

 

と言う人さえいます。

 

僕個人としても、この会社に残っているのは

「やりたいことが明確でなかった」人々なのではないかと思われる瞬間が確かにあります。

 

ただそんな中でも本当に優秀で志ある人がいたりします。

 

こういう人が陰で会社を回していたりするのですが、多くはない気はしてしまいますね。。。

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「本社vs工場」の対立構造問題

工場と本社はしばしば対立することがあります。

 

工場にいる若くて優秀な人は、本社に引き抜かれていくため、工場の年代構成は想像より歪でした。

 

そして常に、

 

本社は、指示する側

工場は、指示を受ける側

 

という構図になります。

 

あるべき論を語るのはいつも本社の人間です。

 そしてそれをうまくやりくりするのが工場の人間です。

 

ちょっとわかりにくいので説明します。

 

本社がある方針を出したとします。

 

たとえば、「来年の予算は〇〇しなさい。」と。

(簡単な例でいくと、「固定費を抑えなさい」とかです。)

 

で、その対象となる工場や部署はたくさんあるわけです。仮に、みんながみんな方針に従えなければ、逃げ切った者勝ちになるわけです。

 

修正指示を受けて修正、

指示を受けて修正…

 

などしているうちに、時間切れになるわけです。3月決算の企業の場合、次年度の予算というのは遅くとも3月末には完了していないと意味がないですからね。

 

この辺をどう「かわす」かを考えているのが工場サイドだったりします。

 

ただ、長く本社で仕事している人からすると、この「かわす」という行為が納得行かないわけですよ。

 

「あるべき姿は〇〇なんだから◇◇しなさい」

 

本社の人間はこういったスタンスなわけです。

 

でも、工場からすると、論理的に考えて、それを達成するのが困難であるために結局「かわす」という行為に出ざるを得ないわけです。

 

本社の人間は、目標が達成できなかった時に理由を探して工場を責めるだけ。

 

工場からすると、

 

「頭が良くて給料もたくさんもらってる高級取り達が、何時間も会議して、揃いも揃って言い訳ばかり考えている。」

 

こういう風に見えるわけです。

 

実際この側面は否めません。

 

指示を出すばかりで、具体的にどうすればいいのかは、工場や現場に丸投げ。

 

こういったことが、本社と工場の対立構造の根本にあります。

 

また、本社でしか働いたことのない社員の中には、「メーカーの原点は工場だから、工場で働けるのは羨ましい」という風に言う人もいます。

 

もちろん、この意見に他意はないことはわかりますが、これは明らかに安全地帯からの物言いです。

 

望まぬ転勤を経て工場にきて、本社の指示には従わないといけない、という人が、工場にはたくさんいます。

 

そういう人たちに対して「羨ましい」は何とも言いがたいです。

 

さらに、工場が本社の人たちの出世のポジションと化している部分もあります。

 

長く工場で経験を積んでいる人が上に上がれず、工場の業務がよくわかっていない本社の人間が上に来てしまうと、そこでまた軋轢が生まれてしまいます。

 

工場で長く経験を積む人はその工場の近辺出身の方も多いため、わざわざ本社の人間を無理矢理持ってくる必要があるのかは謎です

 

連れて来られる本人もまた、モチベーションが下がった状態でくることもありますので。

 

やはり転勤問題は、日本全体の問題ではあると思います。

 

 

明らかに出世は女性に不利にできてるだろ問題

 男女平等社会はもうとっくに達成されたんじゃないかと。

 ゆとり世代の僕は安穏とそう考えていたわけですよ。

 

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ただ実際はそんなことないです。

 

僕の会社では、海外に行かないと出世は頭打ちです。

 

もちろん駐在ベースです。

 

しかし、子供もいて、夫も働いていて…という女性にとって、海外駐在は実際問題かなり困難です。

 

これだけダイバーシティとか、そう言った言葉が叫ばれているのに、

 

結局多くの人は、仕事を労働時間と区別できず、長時間働ける人を評価します。

 本当に管理職としての適性/能力があるか、といったことよりも、単に年功序列なんですよね。

 

それも、転勤してきた人に有利ですわ。

 

そりゃそうですよ、言い方は悪いですが、この会社にいたら、本社で安穏と暮らしてる人よりも、望まぬ転勤に耐えてきた人を上にあげてあげたいという気持ちになります。

 

それくらい格差があります。

 

まあ、そんなこんなでずっときてしまっているので、この問題は解決しないんでしょうね。

 

思うに、厳しい人事評価をすることに慣れてない人が多すぎな気がします。能力を詳細に評価できないからこそ、望まぬ転勤に耐えてきた人を上に推すのです。

 

その方が楽だからです。

 周りも納得してくれます。

 

なぜなら、そういう文化だからです。

 

ここに疑問を持つ人はあまりいないはずです。

 

そういうことで、女性は転勤に関しては男性よりも優遇される傾向があると思います。辺鄙な場所に飛ばされにくいということです。

 

ほかのメーカーでもそうです。

 

でも、結局その差が、男性と女性の出世のしやすさの差に繋がっているのです。(転勤の多い男性の方が評価が高くなりがち、ということです。)

 

よって、人事評価も転勤ありきになってしまっているのが、大企業メーカーの1つの特徴である気はしてしまいます。

 

「情けは人の為ならず」

 

とよく言われますが、

 

日系大企業は

 

情けで人事評価する文化が根付いてしまっていると思います。

 

 

労働組合機能してなさすぎ問題

メーカーに限った問題ではないですが、僕の企業でも、パワハラで人が辞めたりするわけです。

 

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労働組合というのもですね。

 

地域とか支店によって強さが異なったりするんですよね。

 

つまりそれは、企業と組合員の間で何か問題が起きた時に、問題として会社に問題提起する組合なのか、それとも穏便に(何事もなかったかのように)終わらせてしまう組合なのか、そういう違いがあるわけです。

 

これはですね。

 

企業に勤める人ならわかると思いますが、労働組合に入っている人は「組合費」というものを定期的に支払うと思うんですよ。

 

つまり、僕らはお金払ってるわけです。

 

でも、労働組合が労働問題の解決に「しっかり」取り組んでるかどうかっていうのは、僕らにはわからないわけです。

 

「労働者の保護」労働組合の存在意義のはずなのに、その実態は、

 

企業内部の謎の飲み会

謎のイベントの開催(しかも休日)

新人による出し物(時代錯誤の新人芸)

 

の助長などしてるわけです。

 

いいですか、これは、今の若者からすると、うんざりです。

 

それに加えて、謎の政治活動にも参加させられます。(詳しくは述べませんが、僕も一日中電話してたことありますよー。)

 

それにもかかわらず、本当に重要な、

「労働環境の改善」には全くといっていいほど貢献していません。

 

もう存在意義がよくわかりません。

 

前の部署でパワハラがあったときに、組合はそれを把握していたのにもかかわらず、何もできませんでした。大変残念なことです。

 

また、労働組合が企業内の1つの部署に過ぎない存在になってしまっているというのも問題だと思います。

 

労働組合に行ってから総務/労務畑で昇進していくパターンの人もよくいますが、昇進と関わらせると、「事なかれ」主義に陥りますよね。

 

ということで、「労働者の保護」という観点では労働組合はほとんど機能していません。

 

大企業あるあるですね。

 

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まとめ

書いてみて思ったのですが、やはり、今の日系企業のあり方は、もう時代に合ってないのではないかと思います。これは、メーカーに限らずです。

 

これからの時代は、給与やその他諸々の条件が変わらなくても、「働き方」が優れていれば、人がそちらに流れていくようになると思います。

 

大企業は、今までの大企業ブランドに胡座をかいていると、人材の流出を招く可能性があると思うのですが、まあ、そういうことを感じる人はまず先に会社やめちゃうのかもしれないですね。

 

以上!

 

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