ゆとり世代のあなたこそパワハラ対策についてまずは法律から知るべきです
働き方改革が叫ばれている昨今、我々はどのようにしてこの社会を生きていけば良いのでしょうか。
働き方っていうけど、そんなの学校で習ってねぇよ!って方も多くいると思います。
というか僕も習いませんでした。
そういうの教えて欲しかったですマジで。
今回は、そんな労働が何たるものか教えられなかったゆとり世代のために、いかにして僕らの労働者たる権利が守られているのかをかいてみます。
労働法とは
まずは労働に関する法律の流れから把握するため、労働法の起源を市民革命から辿ってみます。
働き方改革!!とかいってないで、まずは僕らゆとり世代も歴史から学ぶことが大事です。
大事なことは大体歴史が教えてくれますからね。多分ですけどね。
さて、1789年、フランス革命がおきます。
「人は生まれながらにして、自由であり、権利において平等である。」
この時から、人々は「自由」を享受することができるようになりました。
誰が考えたんでしょうかね。いいこと言うなぁ、この人。
しかし、個人の自由を得ることは、一方で、「社会の保護」を失うことでもありました。
自由って、そういうことなんです。
要するに、上手くいくのもそうでないのも自己責任。市民革命と前後して、世界各国で起こる産業革命は、大なり小なり貧富の差を生みました。
経済の中心は、それまでの小規模な家族的経営から、大規模工場の運営へと変化していきました。
いわゆる「近代化」ですね。
そのような中、悲しいことに、劣悪な環境で働かされる人々が世界各国で増加しました。
1900年前後の日本の工場労働者は、休憩時間を除いて11時間働かされていたという記録もあります。
アンビリーバボー…信じられません。
そして、多くの人々は、感じるわけです。「個人の自由に任せていては、劣悪な環境で働く人々を減らすことはできないー。」と。
このような状況下で生まれたのが、労働法です。
労働法は、労働者の肉体的・経済的な危険と、人間としての自由の欠如を解決するために、考えられました。
法律が定める最低基準に違反する契約は、違法無効としたのです。例えば、1日の労働時間の上限や、休日の保障などです。
こういったものが、後の「労働基準法」や、「最低賃金法」に繋がっていきました。
これらの法律の名前は、社会の授業などで聞いたことがあるのではないでしょうか。
これらによって労働者は人間的な保護を受けられるようになったのです。やっとです。
そして現代では、労働法はそこからさらに発展を遂げています。ゆとり世代のあなたには、ここからが、重要。
労働協約
労働法の世界では、労働協約と就業規則、この2つが非常に重要な意味を持っています。
労働者が労働組合という組織をつくり、労働組合と会社との間で団体交渉などと呼ばれる話し合いが行われます。
このようにして、会社と組合の間で締結される労働条件に関する合意・協定のことを「労働協約」と呼びます。
なお、誰もが一度は聞いたことのある、「36(サブロク)協定」については、労働協約ではなく、労使協定となります。
36協定は、時間外労働や休日労働に関する協定であり、労働基準法第36条が根拠となっていることから、こう呼ばれています。
労働協約には、書面に作成し、署名または記名押印するという一定の様式を満たす場合には、そこに定める基準に反する労働契約の部分を無効とし、無効となった契約部分を補うという効力があります。
例えば、ある会社で労働組合に入っているAさんがいたとします。Aさんの労働契約には、ボーナスは1ヶ月分と定められていました。しかし、労働協定に、ボーナスは2.5ヶ月分という規定があれば、労働契約の内容は、ボーナス2.5ヶ月分に修正されるのです。
これ聞くと、労働協約、まじ大事です。
確認したことありました?
今すぐ組合にいって確認すべきです。
就業規則
就業規則とは、会社ごとに定められる労働条件や職場規律などのルールです。
就業規則なんて、入社した時くらいにしかちゃんとみていない、という人、多いのではないでしょうか?
労働法の世界では、就業規則は非常に重要な役割を果たしています。
2007年に制定された労働契約法では、就業規則が合理的な労働条件を定め、それが労働者に周知されていた場合には、労働契約の内容はその労働条件(就業規則)によると定めています。
例えば、懲戒免職について、就業規則で定められていた場合には、基本的にはその定められたルールに従わないといけないということですね。
問題はこの就業規則が変更されるときです。
日本では、諸外国にくらべ、就業規則が相対的に重要な役割を果たしています。
なぜなら日本の場合、就業規則にほとんどすべての労働条件が記載されているためです。
(それなのに就活の時にそれはほとんど開示されない。これは違和感を感じざるを得ません。)
就業規則は、その変更が労働者に周知され、その内容が合理的であれば、変更に反対している人がいても、労働者全体を拘束します。
でもこれって変ですよね?
普通、労働条件というのは雇用契約時に定められるもので、その契約が途中で勝手にかえられるなんておかしくないですか?
たとえば、携帯会社と契約をした時に、その契約内容が会社に一方的に変更されることなんて、基本的には考えられないですよね。
しかし、日本の労働法はこうなっているのです。これは、日本の労働法の特徴的な点の1つといえそうです。
転勤を伴う人事異動
日本企業では、長期的な雇用慣行のもとで、配転(転勤)が広く行われてきました。
転勤については、就業規則に記載されていることが多いです。
(確認してみてください。)
就業規則の重要性は前述の通りです。
もし、就業規則に配転の記載があれば(というかほとんどあるのでは?)基本的には、それは、本人が嫌でも断れない、ということになりそうですね。
僕の会社の就業規則にも、「従業員は、正当な理由がなければ、これを断れない」と書いてありました。
ゆとり世代の方々の中には、これ程就業規則が重要だとは思わなかった人もいるはずです。
校則みたいなもんか!と思っていたら大間違いですよ。
今一度、自社の就業規則をしっかりと読み直してみてください。
ただ、配転命令にも、権利の濫用になってはならないため、制約があります。
具体例を以下にあげてみます。
1.不当な負担(長時間の通勤など)を強いてまで配転をする業務上の必要性がない場合。
2.単なる嫌がらせの場合。
3.転勤すると病気の家族を介護できなくなる場合。
このような場合には、配転命令が認められません。
なお、僕のかつての上司は、二世帯住宅を購入した直後に地方に転勤となり、転勤先に勤めている間に、父親が亡くなってしまいました。
これってどういう扱いになるのでしょうかね。働き方改革はこういうところから行なっていかなければならない気もしています。
東京で集中的に人を採用して、それを地方に配置していく現在のスタイルは、もはや時代遅れなのかも知れません。
転勤なんて、みんなできればしたくないですからね。
人事方式の修正も今後は検討していってほしいものです。
ゆとり世代は自分の身は自分で護ろう
僕の職場では、上司のパワハラによって、ひとり人が辞めました。
もちろん、そのことは、労働組合も知っていました。
しかし、労使協調路線か何だか知りませんが、組合は、結局何もできないまま、その人は退職に追い込まれました。
自分の身は、自分で護るしかありません。
はずかしながら、そのパワハラをみて、それが日常になっている自分がいました。周りの人たちも、助けたいと思いながらも、結局は何もできない場合がほとんどです。
その人には、奥さんと子供がいました。
新しい会社では、是非幸せになってほしいです。
ゆとり世代である僕は、パワハラが、こんなにも強烈で、救いようのないものであることを、まったくわかっていませんでした。
苦しい時に、本当に頼れるのは自分だけです。
最低限の知識をみにつけ、みずからの身を守りましょう。
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