「女性活躍」はもっと進んでいると思っていたんだ
ゆとり世代である僕は、学生時代に男女間の不平等を感じたことが、あまりない。
小学生のときだったか、中学生のときだったかは忘れましたが、社会の授業では、「男女雇用機会均等法」が頻出しました。
高校生のときだったか、大学生のときだったかは忘れましたが、「ダイバーシティ(多様性)」や「ワークライフバランス」などといった言葉が持て囃されるようになりました。
ゆとり世代の学生の中には、男女平等社会は、この日本で、とっくに達成されているでしょ!くらいに思っている人もいるかもしれません。
しかし、実際に社会に出てみると、状況は異なっていることがわかりました。
女性の出世率は確かに低かった
最近では企業側も、育児休暇や時短などの制度的な対策を少なからず取り入れてきています。
それでも女性社員が辞めてしまう要因としてあるのが、「育児中に上司から大きな仕事を任せてもらえない」という意見です。
責任や裁量だけでなく、自身が希望するキャリアといった面でも、結婚や出産を目前としていると、男性より不利なのではないか、と感じてしまう人事が僕の知っている中にもありました。(ここ数年の話です。)
上司の意見としては「寿退社などを考えると仕事を任せにくい」「女性に出世意欲がない」などといったものがあるようです。
確かに、伝統的な日系企業である僕の会社でも、女性管理職はほとんど見たことがありません。
メンバーシップ型雇用とジョブ型雇用
日本の雇用制度は「メンバーシップ型」と呼ばれています。日本は、伝統的に、終身雇用制度を敷いてきました。
社員は、大学や高校卒業後、新卒で入社し、その後、様々な職にローテーションさせられて、退職を迎えます。
入社して配属が発表されるまで、何をするかもよくわかりません。
これに対して、「ジョブ型」の雇用制度は、海外で主流であり、職務や勤務地が明確に定められているかわりに、長年勤務していれば給料があがるということはありません。
メンバーシップ型の雇用形態では、長年会社のメンバーとして従属するため、上にあがれるかは、会社の理不尽な命令に従えるかどうかといった面でも判断されます。
これには、当然転勤を伴うため、このような雇用形態で活躍できるのは、家事や育児を妻に任せた仕事一筋の男性であったのです。
と、過去形で書きましたが、結局このメンバーシップ型のローテーションを繰り返しているうちは、理不尽な転勤は絶対になくなりません。
僕の会社でもそうです。
なぜなら、誰かを他部署に動かせば、そこに欠員がでてしまうため、他の誰かをあてがうように異動計画を立てる必要があるためです。これには、地域を跨ぐことも多くあります。
非常に残念なことですが、僕の会社では、人事評価は、異動させる直前にわざと高くするといった謎の習慣があります。
要するに、仕事ができるかどうか、成果を残したか、という観点よりも、その人が今後のキャリアを異動ありきで考えているかどうかを人事評価の判断材料にしているのです。
これが、僕の会社では当たり前になっていますが、それは正しく能力を評価したことになるのか甚だ疑問です。
「女性活躍」は結局男性的な働き型ができるかを問われてしまっている
僕の会社にも「女性活躍会議」なるものがあります。
そこに、僕の同期が何回か参加しています。もちろん、女性です。
そこに、女性管理職(Aさんとします)が呼ばれて、仕事の仕方や考え方を聞く機会があったそうです。
僕の同期の感想は、「そこまでして出世したくない」でした。
Aさんと一緒に仕事したことがある人は、「彼女のような働き方をしたら大抵の人が身体を壊すだろうな。お手本として呼ぶのはどうなのかな…」といっていました。
実際、その方にはお子さんもいるらしいのですが、仕事上のメールは大抵夜中の2時くらいに発信されていたそうです。
それ自体はすごいことですが、それって結局、男性的に働け、ということになってしまいますよね…。
先ほど、上司の女性に対する意見に「出世意欲がない」がありましたが、要するに、「出世=会社の都合を最優先すること」という考え方なのです。
ゆとり世代からなのかどうかわかりませんが、僕はこれに非常に衝撃を受けました。
こんな旧態依然としたことをまだやっているのかと…
「働き方改革」の先は長そうです。
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