経理と簿記
経理は簿記をとならきゃダメ!?
簿記の資格を取っておくことは、経理業務を行う上で、役に立つのだろう、と世の中の多くの人が考えていると思います。
なぜ簿記を取らなくても経理はできるのでしょうか。
その理由を自分なりに考えてみました。
1.原価計算は個別に勉強が必要
原価計算は、各会社ごとに仕組みが違っており、会社独自の分析をするため、簿記を取っても取らなくても、社内原価計算システムの理解のために勉強をしなくてはなりません。その過程で結局は原価計算知識を習得することになります。
2.計算はシステムがしてくれる
実務で問題になるのは、費用の判断です。これは人にしかできません。例えば、棚を購入した時に、これがどういう費用にあたるか(消耗品?固定資産?など)は、人が確認しています。
簿記ではこの判断を問う問題はほぼありません。固定資産なら固定資産、とすでに問題に記入されていて、その事実が変わることはありません。
また、仕訳も、実務ではシステムに登録されている勘定を使用すれば良い(例えば、関係会社への請求の伝票であれば、候補として「○○勘定、△△勘定etc」とでてくる)ので、そこまで難しくありません。また、同じような処理で過去にどのような仕訳をしたか参照することもできます。
3.税務知識も必要
会計の世界と税務の世界は似ているようで、そのルールは異なる部分も多くあります。
簿記で学習できるのは会計の知識(2級までの範囲では、計算方法と財務諸表の作り方くらいしか触れませんが)のみですが、経理は会計知識と税務知識を総動員して判断を下さなければなりません。
簿記をとっていても、税務知識がなければ、判断できないことも多くあります。必要最低限の会計知識を、経理の仕事をしながら覚え、さらに税務の知識も同様にして身につければ、経理の仕事はできます。
4.簿記の知識を使うかどうかは、会社ごと、部署ごとに異なる。
僕はメーカーに勤務しているため、簿記2級の原価計算の考え方はためになると考えていますが、メーカー勤務でなければ、重要度は落ちると思います。
簿記の資格は、基本を幅広く扱っているため、実務でその知識を使うかどうかは、結局のところ、所属する組織ごとに変わってきます。その組織で仕事する上で必要な知識を、仕事をしながら身につけることで、対応できるもの、もしくは、経験してみないとわからないこと、が多くあるのです。
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