特に「意識高い系」ではなくても、無意識のうちに平時より意識高くさせるのが就活というものですので気をつけてくださいませ。
「意識高い系」
就活には、このような輩が多数出現します。
意識高い系、とは、やたらにつけて「できる雰囲気」を醸し出しつつも、実際には特に何もできず、承認欲求と自己顕示欲が真っ先に出てしまっている人たち、とでも言えばよいでしょうか。
このような特殊な人々だけならまだ放っておいてもよいのですが、特に意識高い系ではない普通の人(まさにこれを読んでいるあなたです!)であっても、就活には、人を意識高い系にさせてしまう何かが存在しています。
ちょうど、マラソンなどの長距離のランニングをしていて、気分が高揚して辛さがなくなってくる「ランナーズハイ」に似ています。
多分、僕も、そうでした。
至って普通の人が、就活をしていくにあたり、なぜか普段より意識高くなってしまう現象、これをここでは「就活ズハイ」と呼ぶことにしましょう。
就活は戦争だ
まず、就職活動、それ自体が、普通の状態ではありません。
毎日何社もの説明会に参加し、面接を受けまくり、頼んでもないのにやたら多くの人から祈られる、そんな状態は、普通とは呼びません。
就活を平時と戦時で分けようとすれば、間違いなく戦時です。
実際、就活生の立場から考えると、自分以外の就活生との関係は、基本的に、
「殺るか殺られるか」
です。
面接では、いかに自分を他者より良くみえるようにアピールできるかが問われています。
これも、普通ではありません。
そして、企業に自分をうまくアピールして内定を貰った人から、生き残りが決まります。
採用活動が始まった最初の方は、就活生の方も、まだそこまで焦っていないので、そこまで露骨にアピールするということもしません。
というか、できません。
就活生は、面接という戦闘をへて、自分をどう売り込めば、他者にウケるか、ということを学んでいきます。うまくアピールできないと、次の参考にも進めませんしね。
ただ、これが、戦時下にいない、普通の人達からすると、やや滑稽なものに見えてしまうのです。
社会人4年目になって、冷静に振り返ると、「なぜあの時、あのような事を言っていたんだろうか。」と思うことが少なくありません。
仮に就活を、面接というバトルを繰り返すことによって、レベルが上がっていくRPGゲームと捉えてみます。
大人になって、小さい時に熱中したゲームを見つけて、ふと振り返った時に、「なぜあんなつまらないものにあの頃ハマってたんだろう。」と思うことはありませんか?
就活はそれと同じです。「ハイ」な状態です。
いかんせん、主人公が自分であるため、これが一種の戦闘ゲームであることに気づきません。
そして、失敗した時の精神的ダメージも少なくないため、渦中にいるとゲームだと思いこむことはかなり難しいでしょう。
就活は、面接に通って内定を取らないとクリアできないため、就職活動に身を投じていると、たとえそれが3~4ヶ月程度であっても、自分をどうやったら前よりも高くアピールできるか、ということについて、考えなければならなくなります。
これが、意識を高くさせる1つの要因になっていると考えられます。
就活は、ある程度まで意識高い風に見せないと、生き残れない、戦争なのです。
就活は茶番だ
就活の前提として、現在の労働市場は「能力至上主義」となっていることを意識しないといけません。
能力至上主義とは、企業が求める「能力」を持つ人から採用されていく、というものです。
企業は、会社説明会で、「求める人材像」を訴えることがよくあります。
・リーダーシップがある人
・冷静に物事を分析できる人
などといったものです。
これらの能力は、本来であれば、会社に入って働いてみてはじめて証明できるものです。
そもそも何をもってして「能力」がある、と判断するのかは、かなり曖昧ですよね。
就活生は、そもそも実態のない「能力」というものを、入社前に、面接官の前で、証明しなければならないのです。
こうして就活生は、ありもしないような嘘を平気でつくようになります。
就活の時期には、サークルの副代表がやたら増えますね。グループ面接をした時に、その多さに驚いたことが僕はあります。
実際、僕の知り合いには、「それはほぼ嘘だろ…」といった内容を作り上げ、エピソードとして使用している人もいました。
(誰もが知る一流企業に行きました…)
こうなってしまうのは、結局のところ、面接で評価されるのは、「能力」がある人ではなく、「能力をアピールする能力」が高い人であるからです。
そして、企業の方も、かならず志望度に関することを聞いてきます。
志望動機を喋った後に、「それって他の会社でもできるよね?」という切り返しを食らうとかなり厳しくなるので、就活生の方も必死に志望動機を考えます。
「入社して何がしたいか」
ですね。
この質問は、どの企業でも良く聞いてくる割に、その希望通りのポジションにつける人は、あまり多くありません。
こういう、自分の希望と異なる部署に配属されてしまう危険性を「配属リスク」と呼びますね。
また、希望通りの部署に配属になったとしても、実際に回してもらえるのは雑用ばかりで、まったく仕事が身につかない、といったことも往々にしてあります。
そういう部署が、僕の会社にもあります。
部活でいったら、ずっと球拾いで練習試合にも出してもらえない、って感じですかね。
そして、多くの人は、自分が就活生のときに思い描いていた社会人像は幻想だったことに、後になって気づくのです。
仕事が楽しいという人も世の中にはたくさんいると思います。
でも、そうでない人のほうが、多分、多いです。これが現実です。
一生懸命就活をやればやるほど、現実とのギャップは広がっていく傾向にあると思います。
そして、結局、「就活とか茶番だよなー」となってしまうのです。
就活は恋愛だ
「就活ズハイ」に似た状況が、身の回りにあると思います。
恋は盲目とはよく言ったものです。
個人差はあると思いますが、好きな人とは、付き合う前が1番楽しくないですか?
付き合ってから、その人の嫌なところが見えてくることもたくさんありますよね。
あと、人からの評判と実際付き合った感想は異なる事もあります。
でも付き合う前は、誰だってその人からよく思われたいから、ちょっと良い格好をしたり、取り繕ったりしてしまいますよね!
これ、全部就活にも当てはまります。
就活によって、期待値を無駄に高めてしまうのはやめましょう。
恋愛と同じで、どの会社に入ったとしても、嫌なことはあります。
嫌なことでも受け入れる人は長続きするし、そうでない人は、別れます。
受け入れる、というよりは、話し合いで解決できる人、ですかねー長続きしているのは。
ただこれが、相手が会社となると、大抵の場合、嫌なことがあっても話し合いってことにはなりませんね。
で、「思ったのと違った…」
となりがちです。
しかも、会社のことは、簡単には変えられないので気づいてからではもう遅い。
就活生からすると、採用面接を受けている段階は、その企業とお付き合い(入社)する前なのだから、よく見せようとしますね。
当然です、自分の他にもその子と付き合いたい(その企業に入社したい)ライバルはたくさんいますからね。
こうして自分をよく見せようとすると、意識高い系発言につながっていきます。
他の人と差別化を図ろうとして…
そして、内定をもらった後も、入社する前は、その会社の嫌なところはあまり見えないと思います。
たとえ第一志望でなかったとしても、最終的に、自分を採用してくれた会社です。
嫌いになるわけがありません。
入社前は、だいたいみんなこうなります。笑
それが、付き合ってみると(入社してみると)、こんなはずじゃなかった!!となるのですねー。
恋愛と同じですね。
気をつけましょう。
畢竟、「多くの人にとって」働いた時点で負けだ。
久し振りに大学の同期で集まった時にこのような話題になりました。
みんな辞めたいし、実際ごろごろ辞めていきます。5大商社の内の1つに入社した僕の友人は、入社して3年で同期が10人はやめたと言っていました。
おかしいですね。
こんなはずじゃないですよね。
たぶん、社会人は、こうなってからがスタートです。
つまらないことでも、自分で勉強して知識をつけたら、楽しくなってきたり。
雑用でも、頑張っていたら、大きな仕事を任せてもらえたり。
する「かも」しれません。
すべては可能性の話です。
でも実際に、世の中には、仕事を楽しんでやっている人がいます。
なるべくこうなりたいけど、なれないこともあります。
そことどう向き合っていくのか、なんでしょうか。
社会人は、なってからが勝負です。
▼最後まで読んでいただきありがとうございます!スターやツイッターなど、ポチッと押していただけると大変励みになります!