【大企業の宿命】ドラマ「ヘッドハンター」は名ドラマすぎるぞ
ドラマ「ヘッドハンター」
ドラマ「ヘッドハンター」は2018年春クールに放送された、社会派ドラマです。
ヘッドハンターのまとめは以下サイトを参照ください。
概要としては、江口洋介の演じるヘッドハンター「黒澤」が、毎回異なるターゲットをヘッドハントしていく、と言うものです。
1話完結型のドラマなので、途中からでも大丈夫です。僕も、最初から見ているわけではありません。
転職は、人生の節目です。
毎回転職のターゲットがいるのですが、その人たちの人間ドラマに魅せられます。
まあこれ自体がドラマなのですが。笑
さて、そんな「ヘッドハンター」ですが、第5話で主人公黒澤がターゲットに語る言葉がめちゃくちゃ響きました。
あまり書くとネタバレになってしまいますので、続きは是非本編でも確認してくださいね。
大企業で誠実に働く者の宿命
今回のターゲットは、大企業で働いていることを誇りに想い、会社のために一生懸命働いてきました。まさに「謹厳実直」といった方です。年齢設定は、50代超えてるんですかね。確認してないですけど、そんな雰囲気です。
そのためか、ヘッドハンターを毛嫌いしています。
そんな彼に、黒澤は言います。
「でも今の会社は、あなたに応えてくれてますか?誇りに思うのは勝手だ。でもね、会社はもっと残酷ですよ。あなたがどうなろうと、会社は残る。社員の生き血を吸って、何代も何代も生き続ける。」
いや、本当にそうだよなぁと思いました。
僕の会社にも、家族がいながら単身赴任している人がたくさんいます。
2世帯住宅を買った途端に転勤を命じられ、地方で過ごしている間に親御さんが亡くなってしまった方も知っています。
まさに「会社は社員の生き血を吸って」いる、というわけです。
本人にとって不本意な提案をせざるを得ない日本企業
自社業界のマーケットが縮小していたり、景気が悪くなったりすると、人員の合理化を進めなければならないこともあります。
大企業における「合理化」とは、設備を休止させ、そこで働く社員を減らすことにより固定費を削減することです。
日本の企業は、アメリカのように、人をすぐリストラする、というわけにはいきません。
よって、どうするかというと、再就職先(出向先)を斡旋し、本体に籍を残したまま、別の会社にいってもらうということをします。
そして、その出向させる社員の給与レベルは維持したまま、出向先と本体の労務費差額だけ、本体が負担するのです。
僕の会社でもこれやってます。
工場の中にも関係会社が複数ありますので、そこに出向させて、差額だけ負担するのです。
この辺りの負担割合の交渉とか、身近でおきていたことがありますが、想像するだけでなかなかにドロドロな世界です。
例えば、本社Aと子会社Bがあって、本社から子会社に、Xさんが出向するときです。
この時、Xさんの給与は、本社Aにいた時と同じかそれ以上になるように調整します。
仮にXさんの給与(本社A時)を100とします。
出向した子会社Bから貰える給与が70とすると、差額の30は本社が負担する、というものです。
これだけなら良いのですが、この負担割合をかえたりする交渉があるんですね〜。
子会社に80負担してくれないか…?と言ったりするのです。逆もしかりです。
こらはなかなか大変な作業ですよ…。
(僕はやったことありません。笑)
しかし、本社からすると、これは人件費の削減に大きく寄与します。
大企業は、総じて優秀な人が多いと思います。
それなりに厳しい就職活動や面接をくぐり抜けた人たちですから。それが良いか悪いかは置いておいて。
そんな、優秀で会社に対して志もある人達に、不本意な提案をせざるを得ないことが、日本企業ではよくあります。(全員が全員、そうだとは限りませんが。)
年齢を重ねれば重ねるほど、年功序列でその人の給与は高くなります。
そういう人には、出向してもらって、若くて給与の低い人達を残していた方が、会社としては有利ですよね。
会社というのは非常に合理的にできています。
大企業は多くの人達の我慢と忍耐で支えられている
日本の伝統的な大企業では、「簡単には人を辞めさせない」というのがよくあります。
これは、一見すると、「社員に優しい」と捉えることもできるかもしれません。
昔ながらの家族的経営のイメージです。
「社員は家族」というのが、昔は美徳とされていました。
しかしながら
「あなたがどうなろうと、会社は残る。社員の生き血を吸って何代も何代も生き続ける。」
この側面も、日本の大企業の真実なのかもしれませんね。
p.s.僕は江口洋介の演技が非常に好きなので多少バイアスかかってるかもです。本編でご確認ください!
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