悩める20代代表の僕が「残念な職場 53の研究が明かすヤバい真実 」を読んでみた感想
新幹線で帰省する際に、改札口内で見つけた本です。「残念な職場」という題名にひかれました。
僕は異動希望が全く通らず荒んでいたのです。
残念な僕の憂さ晴らしになれば…
そうおもって手に取りました。
責任感や几帳面さは昇進にマイナスらしい
実績と昇進の関係を検証した調査では、「大きな組織では、几帳面さや責任感はマイナスに作用する」ということがわかっています。
統計的に有意に昇進にマイナス作用するとのことです。
なんと残念なことか笑
さて、それはなぜなのか?
僕なんかは、几帳面で責任感が強い人こそ昇進して組織を引っ張っていってほしい気がしてしまいますが。
理由の一つとして、正義感があげられます。
正義感で他者への責任追及が厳しくなりがちということです。こういうのは上からすると、厄介な存在ということらしいです。
まさに会社にいると感じますが、ただ単にイエスマンなだけな人の方が、本当に出世しやすいです。
個人的には多くの管理職が他人のことを正当に評価するまでの人間レベルに達していないということが真実なのではないかと思っています。
嘘つき上手の方が上からの「引き」で出世する、ということです。
残念でなりません。
なぜ組織には「無能」な上司がおおいのか
「ピーターの法則」というものがあります。
ピーター博士は米国の教育学者です。
働く人は仕事で評価されると上の階層に出世していきます。そして、最終的には、自分の仕事が評価される限界の階層まで出世することになるのです。
個人として有能な人が、管理職として有能であるとは限りませんよね。
こうして、限界の階層まで上がりついた人は、そのレベルで無能と化してしまう、というのがピーター博士の主張です。なぜなら、辿り着いたその階層で有能であれば、出世して上の階層に登っていくからです。
な、なるほど…
しかもピーター博士によれば、
有能な上司がアウトプットで部下を評価するのに対して、無能レベルに達した上司は組織の自己都合という尺度で部下を評価する、とまでいっています。
僕の職場には、60歳越えで、外資系企業から移ってきた方がいますが、その人いわく、会社が傾きかけていたり、縮小していく段階では、特にこういうのが露骨に起きるそうです。
管理職は部下のできる人に、自分のポジションをとって代わられるのが嫌であるため、その人を正当に評価しなくなることが多くなるそうです。(本当に多くなるそうです。)
また、企業は損失を最小限にするために、もっとも無能な従業員を管理職に昇進させる傾向もあるそうで、筆者はこれを「ディルバートの法則」として、紹介しています。
「損失を最小限にする」というのは、無能な人が現場にいると困るため、その人を排除(管理職にしてしまう)する、という意味です。
これを裏返すと、無能な人ほど上司に気に入られるというなんとも悲しい結果になります。
ピーターの法則とディルバートの法則は、相反するものですが、一つの企業内で、同時に起きることも考えられるそうです。
そうすると、ピーターの法則に則って、その人の能力の限界まで出世して、その階層で無能になったあと、ディルバートの法則で上に気に入られて、また出世する、という恐ろしい事態も想定されますね。というかこれ、書いてて思いましたが、本当にこういう人いそうですよね。
このあたりの社会学的な研究の成果は、なるほどなぁと思いました。
「理想の職場」に激しく共感
筆者は、理想の職場として、
「人生の邪魔をしない職場」
という考え方に辿りついています。
これ、めっちゃ、わかる。
単身赴任で家族と離れ離れになってしまったり、業績が厳しい部署の部長の髪があっという間に抜けてしまったり、、、
そういうのを実際に目にすると、世の中、なんて不条理なんだろう、と思ってしまいます。
僕の部署も1人パワハラで退職しました。
社員の人生を邪魔しまくりな職場は本当に悲しいです。
逆に考えれば、「邪魔しない」ということ自体は大して難しくないと思うんですよね。本気で考えれば。
「働き方」改革は、本来そういうところからはじめるべきだと思います。
社員は、会社に、とくに何かしてほしいわけではなく、ただ、邪魔しないでほしい、というだけなのです。
ほんとうにこれには共感しました。
他にも、残業と職場、女性と職場、などといった観点からも、語られることがあるのが本書の特徴の一つです。
20代のうちに、このような知識をいれておくと、後々役立つかもしれません。
幸せな人生を過ごしたいものですね!
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